年表で見る「長篠の合戦」(1575年5月21日)

【合戦の概略】

信長考案の大集団かつ能率的な鉄砲の使用で大成果を上げ、合戦のあり方を変えたとされる、日本の合戦史上革命的な戦い。三河長篠において対峙した両軍であったが、勝頼は無敵騎馬軍団の威力に任せてしゃにむに突撃をかけたが、馬防柵にはばまれ立ち往生するところに一斉射撃を浴びた。
意地になって突撃を繰り返す度にバタバタと兵が倒されていき、信玄以来の名将・山県昌景を始め、真田信綱ら数多くの将を失ってしまう。重臣・馬場美濃守信春は自ら殿軍を務めて勝頼を逃がすが、自身は戦死する。
以来離反者が続出して武田家の実力は地に墜ち、後は滅亡を待つのみとなった。


※年表は合戦前1年間、合戦後3ヶ月間の全国の出来事を表示しています。(日付欄の * 印は閏月)
西暦日付種別内容
1574
天正2
05/20合戦伊達輝宗が最上義光と出羽村山郡千石にて戦う。
  05/25合戦上杉謙信が西上野の武田方属城を攻略、由良成繁・国繁と戦う。
  06/01死去房総の里見義堯が本拠久留里城で病歿。享年63歳。
  06/10合戦武田勝頼が二万五千の大軍で小笠原長忠の守る遠江高天神城を総攻撃、塔尾曲輪を落とす。
  06/12軍事織田信長が嫡男信忠と佐久間信盛に命じ遠江高天神城救援に向かわせる。
  06/14軍事織田信長が遠江高天神城救援に向け岐阜城を出陣する。
  06/17合戦織田信長の救援が間に合わず、武田勝頼が徳川方小笠原長忠の守る遠江高天神城を落とす。長忠は投降し開城。
  06/17合戦武田勝頼が徳川方小笠原長忠の守る遠江高天神城を落とす。
  06/19軍事織田信長が高天神城救援に向け遠江今切の渡しに着陣するが、落城の報を聞き引き返す。
  06/23一揆織田信長が九鬼嘉隆に命じ、長島一向一揆に対し安宅船により海上封鎖させる。
  07/13軍事織田信長が三度目の長島一向一揆討伐の軍を起こし、十万の兵を集め尾張津島に陣を進める。
  07/15一揆織田方九鬼嘉隆・北畠信雄ら水軍が長島周辺の島に砲撃を加え、一揆勢は長島に逃げ込む。
  07/27合戦北条氏政が関宿城を攻めるが、上杉謙信が武蔵に侵入し鉢形・松山・忍城を攻める。
  07/28軍事上杉勢が越中を制圧、加賀に兵を進める。
  07/29一揆織田信長の弟半左衛門秀成が長島一向一揆と交戦中に討死。享年不詳。
  08/02一揆長島大鳥居の一向一揆が脱出を試みるが織田軍に斬り殺される。
  08/02軍事徳川家康が遠江馬伏塚城を修築、大須賀康高を守将に命じ武田勢に備える。
  08/12一揆織田信長が篠橋の一揆勢に、寝返りを条件に長島に入ることを許す。
  08/19誕生スペイン人宣教師ルイス・ソテロが生まれる。
  08/26軍事上杉謙信が厩橋城に援軍を送る。
  09/07軍事甲斐を出陣した武田勝頼が遠江浜松城に迫り、天竜川東岸に布陣する。
  09/10政治最上義光と伊達輝宗が和睦する。
  09/18一揆織田方佐久間信盛が河内飯盛山下堀溝に一向一揆を破る。
  09/19軍事織田方佐久間信盛が三好党の拠点河内高屋城下に迫り、城下を焼き払う。
  09/29一揆降伏して長島退去中の門徒衆が織田信長の約定違反の攻撃に怒り信忠の本陣に斬り込み、織田一門衆多数が討死。
  10/29一揆織田信長が長年苦しめられた長島一向一揆を討伐、信徒2万人を焼き殺す。(日付は9/29とも)
  11/15合戦織田信長に属した荒木村重が摂津伊丹城を攻め落とす。
  11/21誕生後の京都大徳寺五十六世住持江月宗玩が生まれる。父は堺の豪商津田宗及。
  *11/19合戦北条氏政に攻められた簗田晴助・持助父子が下総関宿城を開城し、水海道(水海城)に去る。
  *11/20軍事備中松山城主三村元親が毛利氏に背いたため毛利輝元・小早川隆景が出兵、備中小田に着陣する。
  12/01誕生沢庵が生まれる。父は但馬出石城主山名祐豊の重臣秋庭綱典。
  12/20合戦龍造寺家の鍋島直茂が西肥前の須古城を攻め落とす。城主平井経治は自刃。 <
1575
天正3
01/01合戦毛利輝元・小早川隆景が三村元親の将三村正政備中国吉城に攻め、この日落とす。
  01/03死去京都の宮医師坂光国が歿す。享年62歳。
  01/11政治上杉謙信が故長尾政景の二男喜平次を養子にして加冠、景勝と名乗らせる。
  01/22合戦宇喜多直家が浦上宗景に背き、宗景方三浦貞広と戦うが敗れる。
  01/28合戦伊東義祐が海路より大隅櫛間・志布志を攻める。
  02/14政治武田勝頼が信濃佐久郡の市川豊後守に木綿や塩などの領内自由通行の過所を与える。
  02/15政治後の徳川四天王の一人、井伊直政が家康に仕える。
  02/28軍事徳川家康が奥平九八郎信昌に三河長篠城の守備を命じる。
  03/04軍事伊達実元が陸奥二本松城主畠山義継攻撃をはかるが、蘆名盛隆が調停に乗り出す。
  03/07政治北条氏政が小田原城下板橋の善左衛門・善七郎に分国石切の統領を安堵する。
  03/13合戦宇喜多直家の将大森義臣が浦上宗景の兵と備前辛川に戦う。
  03/14政治織田信長が京都に徳政令を発布、寺社門跡と公家衆の所領回復を命じる。
  03/16政治今川氏真が上洛、織田信長と京都相国寺で対面する。
  03/20合戦龍造寺隆信が三池鎮実の拠る三池城を攻め落とす。
  03/23政治織田信長が松永久秀から大和守護職を取り上げ、代わって原田直政を任じる。
  03/29事件島津義久が琉球使節に対し、島津氏の使僧が粗略な扱いを受けたことなどを詰問、両者の関係が悪化する。
  04/05事件徳川家康が武田勝頼に内通した家臣の大賀弥四郎を三河岡崎で鋸引きの刑に処す。
  04/06軍事織田信長が河内高屋城攻略のため京都を出陣する。
  04/08合戦織田信長が三好康長・遊佐信教の籠もる河内高屋城を攻める。
  04/12軍事織田信長が摂津住吉に陣を移す。
  04/13軍事織田信長が摂津天王寺に陣を進める。
  04/14軍事織田信長が石山本願寺に迫り、農作物を荒らす。
  04/16軍事織田信長が摂津遠里小野(おりおの)に移り農作物を荒らす。
  04/17軍事織田信長が三好方の和泉新堀城を包囲する。
  04/19合戦織田信長が三好方の和泉新堀城を落とす。
  04/21軍事織田信長が京都に引き上げる。
  04/21合戦武田勝頼が三河長篠城の奥平信昌を攻める。
  05/06政治松浦鎮信父子が龍造寺隆信に起請文を送る。
  05/14軍事三河長篠城の奥平信昌が鳥居強右衛門勝商に命じて城を抜け出させ、岡崎へ援軍要請に走らせる。岡崎城に到着した織田信長と嫡男信忠は、駆けつけた鳥井勝商の口上を聞く。
  05/16事件長篠から岡崎へ救援要請に出向いた鳥居強右衛門勝商が長篠城目前に武田方に捕らわれ磔殺される。勝商享年不詳。
  05/18軍事三河長篠城救援のため、織田信長・徳川家康連合軍三万が極楽寺山・高松山に着陣する。
  05/19軍事武田勝頼が三河長篠城に押さえの兵を残し、一万五千の兵を率いて連子川東岸に布陣する。
  05/21合戦【長篠の合戦】
三河長篠設楽原にて織田・徳川連合軍が3千挺の鉄砲を駆使して武田騎馬隊を粉砕、武田方の真田信綱・馬場信房・山県昌景ら多数の武将が討死する。
  05/22合戦小早川隆景が三村元親を備中松山城に、上月隆徳を常山城にそれぞれ攻め、この日松山城を落とす。
  05/28政治男子のない大友家臣の立花道雪が娘のァ千代(ぎんちよ)に立花家の家督を譲る。
  06/02合戦徳川家康が兵を駿河に進め、由比・倉沢を攻めて帰陣する。
  06/02死去小早川隆景に攻め落とされた備中松山城主三村元親が自刃。享年不詳。
  06/07合戦小早川隆景が上月隆徳の備前常山城を攻め落とす。(日付は5/22とも)
  06/17軍事織田信長が明智光秀を丹後・丹波に派遣して国人衆川勝継氏・小畠左馬助に忠節を誓わせる。
  06/18政治大友宗麟・義統父子が家臣立花道雪の娘ァ千代(ぎんちよ)への家督相続を承認する。
  06/29死去徳川家康と交戦中の武田方依田信守が遠江二俣城内で病没する。享年不詳。
  07/03文化織田信長が正親町天皇の皇子誠仁親王主催の蹴鞠の会に出席する。
  07/03政治朝廷から織田信長家臣の明智光秀に惟任、丹羽長秀に惟住姓が与えられる。
  07/06文化京都の町衆が織田信長を招いて妙顕寺で能楽を催す。
  07/12政治織田信長が近江勢多橋の改修に先立ち、柱立てを行う。
  07/16合戦長宗我部元親が土佐甲浦城、野根城を攻略、土佐を統一する。
  08/02死去公家で権大納言四辻季遠が下向地の伊勢で歿す。享年63歳。
  08/04政治朝廷が真言宗僧侶の絹衣着用を禁ずる綸旨を出す。
  08/12軍事織田信長が越前一向一揆討伐に向かい、岐阜を出陣する。
  08/14軍事織田軍が越前敦賀に集結、同夜海上部隊の羽柴秀吉らが敦賀港などを出港する。
  08/15一揆越前木ノ芽峠には丹羽・滝川らが押し寄せ、杉津口には柴田・明智・佐々ら織田方の将兵が攻め掛かる。また羽柴秀吉らの海上部隊が越前河野浦に上陸、河野城に攻め掛かる。
  08/16一揆織田信長が越前一向一揆の前線を突破、府中竜門寺に入る。
  08/19一揆織田信長自ら越前府中を攻め、越前一向一揆が平定される。
  08/24合戦徳川家康が武田勝頼の居城諏訪原城を攻め落とし、これを牧野城と改める。

※使用年表: 『戦国詳細年表ver1(1496-1615)』 copyright(c)1999 M.Sakamoto
※年表の無断転載はご遠慮下さい。


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